すべてのメディアはワイヤードに統括される。それは,ワイヤード発生時になされた,約束,のようなものだ。
インターネットプロバイダーのAOL社は10日,映画・ケーブルテレビ・出版など娯楽大手のタイム・ワーナー社と合併することで合意した。新会社「AOL・タイムワーナー」では,AOLの会員がワーナーグループのCNNニュース,『タイム』誌,音楽,映画,ケーブルテレビなどの情報内容を優先的に入手することができるようになる見込み。
タイム・ワーナーの社員たちは,よもやプロバイダーと一緒になるとは思いも寄らなかっただろう。だが,これこそ,これからのメディアのあるべき道となるだろう。持っているコンテンツはウェブで活かさなければ,なんの発展も生み出さない。日本の出版社,テレビ局,放送局には,たぶんまったくそんな意識はないだろう。その愚かさに気付くのはいつだろうか。タイム・ワーナーの決断は,大きな尊敬を得てあまりあるものだ。今そう思われなくても,数年後には確かになる。
CNNニュースのTV放送がウェブ上のストリーミングで行われる。タイム誌の内容はすべてウェブで展開される。タイム・ワーナーの映画がウェブ上で公開される。賭けてもいい,_絶対_そうなる。すべてのメディアは,この地で統括される。これは決まり切った道,あらがえぬ道。そして,既存メディアが将来も存続するための,唯一の道となる。約束が果たされるのは,そんな先の話では,ない。
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